石川優吾さんの漫画ワンダーランドも遂に最終回。第6巻です。
第5巻ではものすごい力を持つワンダーの兄弟に翻弄されまくりのゆっことアリスたちでした。
アリスを追う自衛隊の本等の目的は?
ゆっこたちはワンダー兄弟に勝つことができるのか?
麻宮の正体は?
源田さんはどうなる?
今回最終回ではすべての謎が解明され、そして衝撃的なラストとなりました。
ワンダーランド(漫画)最終回のネタバレと感想について書いてみたいと思います。
目次
自衛隊の目的
やはりアリスは究極の兵器でした。
世界を一変させることさえ可能な能力をもっていました。
しかし、なぜ自衛隊がその能力を欲しがるのか?
それはまさに自国防衛のためでした。
アリスという最強の兵器を自衛隊が手に入れることで、日本は他国(アメリカなど)に依存しない、自力での防衛が可能になるからでした。
乾幕僚長はこの作戦を独断で実行していたのでした。
ショウの力がすごい!
第6巻の序盤はアリスとワンダー兄弟の激しい戦いが続きます。
しかし、その戦いに決着をつけたのは滝さんの息子のショウくんでした。
その力がまたすごい!
片手を高く上にあげ、拳を握りしめて正拳突きのポーズを決めた瞬間、空から大きな鉄の塊が!?
飛行機?
ヘリコプター?
いや、空から落ちてきたのはオスプレイでした。
オスプレイは兄弟のうちの一人の上に落ちたのでした。
オスプレイを2機も飛ばしていたショウくんは力尽きてその場に倒れ込みます。
思わず足り寄ったゆっこが見たショウくんは、グツと老け込んでいました。
おじいさんのようになったショウくんは滝さんの腕の中で永遠の眠りについたのでした。
滝さんはこのあと登場しませんでした。
麻宮さんの正体は?
オスプレイが墜落するなど混乱した現場に登場した麻宮さん。
この麻宮さんは最初に登場した時から、アリスたちの味方か敵かわからない存在でした。
源田さんも彼女に対して警戒心をあらわにします。
でも、滝さんの一言で麻宮さんもワンダーだったことがわかります。
麻宮さんは実はアリスやゆっこにとって味方だったんです。
しかし、ワンダーであることがばれた麻宮さんは、今度は自分が自衛隊に捕まってしまう前に自ら命を絶ってしまいます。
マンションにかくまっているゆっこと源田さんに逃げるように電話で指示した後、エレベーターの中で銃の引き金を引きます。
自分もワンダーである麻宮さんの目的は何だったんでしょうか?
なぜ、アリスとゆっこを助けようとしたのか?
自衛隊で何をしたかったのか?
その辺がよくわからないところでした。
源田さん
ゆっことアリスの良き理解者であり、何かと助けてくれた源田さん。
登場人物の中でももっとも人間味があるキャラクターです。
麻宮さんからの連絡を受けてマンションから逃げようとするのですが、またしても自衛隊に阻止されます。
ここで、ゆっことアリスと離れ離れになってしまいます。
アリスとゆっこの最後
日本は戦争に突入することになります。
この戦時下に入ってしまった理由というか経過がイマイチわかりにくいのですが・・・、とにかく日本は非常事態になります。
自衛隊は防衛手段としてアリスを利用しようとします。
しかし、それを拒むアリス。
上空には日本に向かう何発ものミサイル。
このままでは日本に大きな被害が出てしまいます。
幕僚長の必死の説得にもアリスの答えは「NO」。
ついに幕僚長はゆっこを人質にして、銃を向けます。
追い込まれたアリスが遂にとった行動は・・・、
人間を小さくすることでした。
さらに戦艦をはじめとする全ての兵器も消えました。
戦闘員の手からは武器が消えています。
今まで海岸沿いに立っていたミサイル発射台も消えました。
戦艦の上にいたアリスとゆっこは宙に放り出されたのですが、巨大化したアリスがゆっこを受けとめて無事でした。
ゆっこに銃を向けていた幕僚長はそのまま海に落ちていきました。
そして、どこかの砂浜に立つゆっことアリス。
その横には大きな空き缶が転がっています。
アリスは
「最後に残っている兵器(自分)を消さなければならない」
と言いながら、体がだんだん小さくなって最後には消えてなくなってしまったのでした。
その様子を見て思わず涙がこぼれ落ちるゆっこ。
そこへ愛犬ポコに乗った源田さんが登場しました。
「あれ、アリスは?」
そこには穏やかな海の景色が広がっていました。
最終巻終わり
感想まとめ
タイトルからは想像できないほど結構ハードな内容の漫画「ワンダーランド」でした。
最終巻では血を見るシーンも多かったように思います。
アリスを確保したい自衛隊の目的が自国防衛の為であり、さらに、他国に頼らない防衛能力の所有などまったく漫画の世界の話でもないように思いました。
また、最後に日本がミサイル攻撃をうけるような展開には近未来を予想させるかのようなリアル感さえありました。
今既に日本が直面している危機感ともいえるかもしれません。
アリスは最後は消えてなくなるんですよね・・・予想外の結末でした。
ラストシーンは体が小さくなった、ゆっこと源田さん(と愛犬ポコ)が再会するシーンでした。
二人とも無事でよかったです。
ちなみに、縮小するのは人間だけなんですよね。
だから愛犬ポコもスマホも大きいまま。
アリスのおかげで平和を取り戻した?世界ですが、体は縮小したままなんでしょうか?
ちょっと気になりました。
あとはコミック本の裏表紙に書かれた「to be continued」の文字。
「続く」っていう意味ですよね?
最終巻なのに「続く」って・・・
続編があるんでしょうか?あるならぜひ見たいものです。
ワンダーランドを日本語に訳すと”不思議な国”ですが、この漫画の”ワンダー”は超能力を持つ人間のことを指します。
つまり直訳すれば”超能力兵器の国”となるのではないでしょうか?
恐ろしい世界をテーマにした漫画だったわけですが、最後にアリスは全ての兵器を消すと同時に自分自身もこの世から消してしまいました。
現実の世界でも戦争がなくなり平和が続く世でありますよう、改めて願わずにはいられないと思いました。
第1巻から最終巻まで読みましたが、とてもおもしろかったです。
毎回意外な展開になり、読んでいても飽きなかったです。
ストーリーは結構重たいですが、その中にも思わず笑えるシーンやホッとする場面もあるところが良かったと思います。
続編が出ることを期待したいと思います。