私は個人事業主として15年くらい経ちます。
確定申告(白色)は毎年欠かさず行ってきました。
そんな私もちょっと前まで”税務調査”は正直他人事でした。
「個人にも税務調査が入るとしたら収入1千万以上の人でしょ?」
「年収5~6百万程度の個人に税務調査は来ないでしょ?」
と勝手に思っていましたし、来るとしてもその確率は極めて低いと勝手に思っていました。
ところが、そんな私の元に税務署から一通の封書が届きました。
内容は所得調査の依頼でした。
そこで、税務調査の通知が来てから実際に調査を受けた時の体験談について書きたいと思います。
突然の「税務調査」に慌ててしまっている人、ぜひご参考下さい。
目次
調査に素直に応じる
最初は、まさかの「税務調査依頼」に驚きと動揺を隠せませんでした。
なんせ、自分には関係ない話だと思っていましたから。
確定申告も必ず期限内に提出していましたし「なんで僕に税務調査が・・?」といった感じでした。
でも、次の瞬間こう思いました。
「この調査は素直に応じるしかない・・・」と。
応じずに無視すると帰って面倒な話になると思いました。
確定申告は毎年行っていましたが、その内容が間違っていないか?
税務署に仕分けの内容を精査されたら「誤りが1つも無い」とは正直言い切れませんでした。
だだ、呼び出されたということはお金が戻ってくるハズがないのはもちろん、何も無し(タダ)では済まないでしょう。
税務署も暇じゃないでしょうから、何か誤りを指摘され申告内容を是正することになるだろうと予感しました。
でも、その修正規模がどのくらい(いくらくらい)になるかは想像できませんでした。
税務署から届いた通知書には「過去3年分の収入を証明できるものを持って〇×税務署へ来てください」という旨が書かれていました。
税務調査を全く想定していなかった私は、過去3年分の収入を証明できるもの(銀行通帳など)はこれといって保管していませんでした。
経費として使ったお金の領収証やレシートは保管していたのですが・・・。
それだけに焦りと不安は大きかったです。
証明するものが無いんですから。
「しまった・・・」と思いましたが後の祭りです。
税務署への来署日は自宅に通知が届いた日から2週間後ぐらいの日時が指定されていました。
しかし、指定されている日時は変更ができました。
通知書に連絡先の電話番号と税務署担当者の名前が書かれていたので、直接電話しました。
私は仕事の都合上、かつ、少しでも早く税務調査を終わらせたかったので予定より1週間早い日時に変更してもらいました。
準備したもの
私が税務調査に向けて準備したものは、
- 過去3年分の確定申告書控え
- 過去3年分の経費に相当する領収書やレシート
- 経費の内訳明細書
- 印鑑
です。
肝心の「収入が確認できるもの」は用意できませんでした。
あとは冷静な気持ちです。
これが一番大切かもしれません。
いずれにしても準備不足は否めませんが、それだけ準備して税務署へ向かいました。
税務署は既に情報を掴んでいた!
税務署の指定の場所へ行き、所得税調査の件で来たことを職員の方へ伝えました。
間仕切りで仕切られた4人掛けの机に座って待つこと5分、担当の職員の方が何やら数枚と思われる資料を持って登場しました。
イメージ的には分厚いキングファイルに綴じられた資料を数冊抱えて持ってくるイメージでしたが、そうではありませんでした。
すぐに話の本題に入りました。
私一人に対し、職員の方1人です。
最初、所得税に関する説明を受けましたが内容はよく覚えていません。
まもなく、「何か収入のわかるものをお持ちですか?」という話になりました。
私は持っていない旨を正直に伝えました。
どうやら、私の申告額に問題があるようです。
私が何も証明できるものを持っていないことを知って、ちょっと困った様子でした。
その後、主な取引先や収入源について質問されました。
ここで調査がいきなり頓挫するのか・・・
いや、それは困る・・・
調査は1日で終わらせたい・・・
と思っていると職員の方が資料を見ながら話を切り出しました。
「こちらの調査では〇×さん(私)の平成26年度の収入は??万円。平成27年の収入は??円。平成28年の収入は??円です。」
つまり、私の申告した収入額が税務署が調査した私の収入額より少なかったのです。
意図的ではなかったにせよ過少申告ということで、私は税務調査の対象となったのでした。
収入の証明ができない以上、私はその提示された金額を素直に認め、是正申告することになりました。
3年分の所得税の是正
確定申告の是正は過去3年分でした。
その場で所得税の是正手続をして、金額の書かれた所得税(追加分)の振込み用紙を受け取りました。
申告是正によって再計算される税金は所得税はもちろん、市民税や国民健康保険なども対象です。
3年分ですので、かなりの税額です。
特に国民健康保険料は毎月の保険料がすごいことになってしまいました。
正直、かなり経済的に厳しいことになりましたが、自分の申告誤りが原因ですから仕方ありません。
振込用紙が郵送されてくる毎に、すぐに収めに行きました。
ちなみに、悪質な脱税の場合は過去7年にさかのぼって税務調査する場合もあるそうです。
調査を拒否することはできるのか?
税務調査は拒否できるのでしょうか?
はっきりしたことはわかりませんが、拒否はできないと思った方が良いでしょう。
税務署からの呼び出しを無視し続ける、なんだかんだ理由を付けて行かない、などしても結局調査は逃れられないでしょう。
税務調査通知が届いた時点で税務署は申告に関する何らかの証拠をつかんでいます。
調査から免れる方法を考えるのではなく、素直に調査に協力するようにしましょう。
まとめ
個人事業主として15年目にして初の税務調査。
税務署から届いた通知書を見た時は本当にあわてました。
「たくさんいる個人事業主の中からなぜ自分が調査対象に!?」
という納得いかない気持ちで一杯でした。
個人事業主に税務調査が来る確率は低いですがゼロではないことが今回改めてわかりました。
強いて確率を言えば、15年に1回の割合でしょうか?
それでも税務調査が来たら、素直に誠意を持って対応することが大切だと思います。
所得金額の申告額が少なかった理由や証明書類が残っていない事などを正直に話すると同時に自分のミスを素直に認めました。
結果、今回の調査は1時間ほどで終わりました。
税務調査にも色んなケースがあり、中には数回にわたって調査が続く場合もあるようです。
税務署を出た時はドッと疲れが出たと同時に1回で済んでホッとしました。
いざと言う時にあわてないよう、日頃から収入や仕分け・経費に関する資料はきちんと整理・保存しておこうと思います。
以上、初めて税務調査が来た時の体験談について書きました。
同じような境遇の方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。